2016年8月28日日曜日

ラヴェル/『クープランの墓』よりトッカータ


 ラヴェルのトッカータの5小節目です。門番のような音の並びです。何が難しいと言えば、第一主題を構成する和音をとりつつ、高速で流れ去っていく真ん中装飾音(ファ,ミ,レ,ミ,ファ,ミ,ファ,ミ)を叩かなければならない点で、具体的には譜例上段ミの音が厄介な課題となります。もっとも、10度届くような人なら、上のような運指、親指でミをとることができるので、はっきり言って難所でもなんでもないのではないでしょうか。オクターブまでが実用上限界という人にとっては、5432はかなり厳しいです。最高音を明瞭にしつつ無理のない手の開き方で考えれば、下のような構成になると思います。

 ただ、こうなると親指が楽節すべての音を拾う必要があり、別の難しさが生まれます。練習次第でなんとかなるかどうかわかりません。 別の案として、装飾音を全て左手でとる方法が考えられます。前半部分は、左手の和音と装飾音込みでオクターブ範囲内なので、2の指がやや忙しくなる程度で済み、次の和音にしても、細かい跳躍で住むので、ひとまずこれで何とかなるでしょう。しかしながら、後半はどうでしょうか――。良い餡があれば教えていただきたいものです。はっきり言って、思い切ってラヴェルの楽譜からこの最後のミの音を消してしまっても音楽面ではたいして支障がないから、最初から押さないという開き直り方もあるかもしれません。
 ラヴェルのトッカータでカルメン変奏曲から現実逃避をしていたら、急に現実に戻された気分です。

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ラヴェル・ピアノ曲集 VII: クープランの墓

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