しかし、昔の演奏を聴いてみると、一応進歩が見えます。下の二つ以外にカルメン変奏曲を収録したのですが、あまりに下手なので編集段階で没にしたという裏話がありまして、後日、年を越してから古い録音を聴いてみたら、明らかに精度が上がっていた(もちろん比較の問題である)ので、このブログと演奏を公開する目的、練習は決して無駄ではないというメッセージにはなるのかもしれないと思いました。下手なものは下手ですが。
さて、録音していやでも気が付くのが、音楽のなんと平板なことかと。一方で、昔一世を風靡した大ピアニストの、音質の乏しい古い録音の音楽的内容の何と豊かな事かと。そこで、音楽が平板なのは、音量の増減の幅が狭いからだと仮定して、これでもかというくらいクレシェンドの音量増加を、急な坂を駆け上るみたいに幅をとって鳴らしてみましたら、案外様になる効果が得られました。皆様ぜひおためしください。今回の録音では、おそらく実践には至っていないかと思いますが、いずれは効果が表れる様に仕込んでいきたいと考えております。ただ、試してみればわかりますが、これには指の正確な制御が必要になります。つまり、すべての音について、音量を狂いなく出力する事が求められるのです。ただ正確な音を出す以上に神経を使うものに違いありません。でもせっかく録音するんだから、良いものをとりたいじゃないですか。
2019年もどうぞよろしくお願いいたします。