取組楽曲と進捗一覧

ABCDE
1
作曲家名楽曲名総小節数暗記小節数暗記小節数の割合
2
フレデリック・ショパンマズルカ遺作第24番4040100.00%
3
フレデリック・ショパンポロネーズ第6番「英雄」181181100.00%
4
フレデリック・ショパン前奏曲第3番3333100.00%
5
フレデリック・ショパン新しい練習曲第2番6060100.00%
6
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりトッカータ25212951.19%
7
フレデリック・ショパン練習曲作品10第1番792227.85%
8
ヴラディミール・ホロヴィッツカルメン変奏曲1573220.38%
9
クロード・ドビュッシー前奏曲第5番「アナカプリの丘」961212.50%
10
ヨハン・セバスティアン・バッハパルティータ第5番9588.42%
11
モーリス・ラヴェル鏡より「鐘の谷」5447.41%
12
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりメヌエット12800.00%
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2022年10月1日土曜日

ホロヴィッツのカルメン変奏曲を弾きたい! 第9回


 ホロヴィッツの楽譜が遂にSchott社から発売されました。『カルメン変奏曲』『星条旗は永遠なれ』『悲しげな断章』の三作品です。Amazonでは『カルメン変奏曲』のみ、アカデミアミュージックではすべてそろいます。

 もともとホロヴィッツの採譜による楽譜は権利上の問題は、完全に解決しているかもしれないし、していないかもしれないといったところ。昨今では、採譜を有償で販売するなど、モラルハザード(公開からして控えるべきなのだろうが・・)というべきか、これら採譜が権利の侵害に当たるのであればより侵害のレベルの高い状況となっていました。この状況を見ての判断なのか、The Horowitz Websiteの編集者で、各種ホロヴィッツの実況録音のライナーノートにかかわってきたBernald Horowitzを校訂/編曲に据えての販売となりました。なお、自筆譜から楽譜にしたものではなく、従来通り音源からの採譜作業行った楽譜となります。しかし、これは大変意義のあることです。

 作曲者が販売に踏み切らず、未亡人が封印したため、楽譜が工程を経て出版されることは、私が生きているうちにはないだろうと思われていたことが実現したため大変驚きました。関係者にこの場を借りて感謝を申し上げるとともに、他の編曲作品についても引き続き出版を心よりお待ちしております。

 ついては、次回より、当ブログのシリーズ「ホロヴィッツのカルメン変奏曲を弾きたい!」はショット版を採用しての挑戦となります。

※『カルメン変奏曲』の楽譜1ページ目、10小節目の右手#は♮だと思います。




2020年9月20日日曜日

『子供の領分』より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」を弾く

「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」はじめました。

 ドビュッシーの『子供の領分』の「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」を取り組み始めました。こんなことをやっているから、ラヴェルの「トッカータ」の進捗状況が改善されないわけですが、一向に崩しきれない、それどころか傷一つつかない岩盤のような難曲を前にし続けていれば、モチベーションは下がる一方。気分転換もたまには必要と言うものです。「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は、ベネデッティ・ミケランジェリで聴いて以来継続して好きだったというのもありますが、短くて、重音よりも単音が多く配されていて、緩急内容豊か、ということで選びました。

 採用楽譜は、今のりに乗っているベーレンライター社の版です。楽譜屋でたまたま見かけた今月の一冊の一つだったと思います。同曲の製本された楽譜をもっていなかったのと、触れ込みシールを簡単に読んでそのまま買った記憶があります。解説(独・仏・英の欧文三種)が本全体の半分を占める気合の入ったものです。長い上に専門分野ですが、英語があるので何とかなるでしょう。なんでも、作曲者のピアノロールも参考にしたとか。

 ドイツで主に原典版の出版を行っているHenle社は、サービスの一環として、出版した楽曲の難易度を「1」から「9」に分けて表示しています。たまに眺めながら、自分が取り組んでいる楽曲の難易度をしり目に、次は何を弾こうかと物色するのですが、この「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は「6」となっています。難易度の横軸で再検索するとラヴェルの「パヴァーヌ」も「6」となっています。「亡き王女」など、キャッチーな名前が付され、よく耳になじむ物悲しい旋律を擁する同曲ですが、開けてみれば難易度は高めです。ただ、同程度の難易度と言っても、難しさの性質はまったく違い、「亡き王女」が、ゆったりとした重音進行や幅の広い分散和音をこなしつつ旋律を拾っていかなければならない難しさを持つ一方で、「博士」では和音自体が少なく、上下駆けまわる単音の連なりを速めのテンポで正確に弾くところに難しさがあります。

2020年9月8日火曜日

【部分録音】ラヴェルの『クープランの墓』よりトッカータが弾きたい! 第9回



編集時間は30分でした。


 取りかかってみればすぐに終わる仕事ではありましたが、一か月前の自分の姿という点が、ある種の励みになっていたのだと思います。「一か月前だから、今とは明らかに違う(だろう)」という、現在の録音がないにもかかわらず(ないからこそ)、進歩を夢想することができるわけです。

 録音は、最も盛り上がる部分の前哨の入口まででした。





 9月6日現在、譜読をはじめ様々な点が更新されております。

 譜読は、最も盛り上がる部分の前哨の真ん中まで進んでいます。この楽曲を取り上げたことのある方ならご存知でしょう、冒頭現れた経過部の変奏、怒涛の重音が繰り広げられるそのすぐ手前までです。





「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」はじめました。


 ドビュッシーの『子供の領分』の「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」を取り組み始めました。こんなことをやっているから、ラヴェルの「トッカータ」の進捗状況が改善されないわけですが、一向に崩しきれない、それどころか傷一つつかない岩盤のような難曲を前にし続けていれば、モチベーションは下がる一方。気分転換もたまには必要と言うものです。「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」は、ベネデッティ・ミケランジェリで聴いて以来継続して好きだったというのもありますが、短くて、重音よりも単音が多く配されていて、緩急内容豊か、ということで選びました。


 採用楽譜は、今のりに乗っているベーレンライター社の版です。楽譜屋でたまたま見かけた今月の一冊の一つだったと思います。同曲の製本された楽譜をもっていなかったのと、触れ込みシールを簡単に読んでそのまま買った記憶があります。解説(独・仏・英の欧文三種)が本全体の半分を占める気合の入ったものです。長い上に専門分野ですが、英語があるので何とかなるでしょう。なんでも、作曲者のピアノロールも参考にしたとか。

 当該弾きたいシリーズの開始記事はこちらから。


進捗表


 動画で公開した部分の小節数を公開日ごとに整理して表にしたものが以下の通りです。とても横に長いのは、間の日数を等間隔の距離として表示したためで、サボりが正確に可視化されています。
 グラフは画像ファイルとして掲載していますが、できればhtmlで組み込んでいきたいですね。



2019年9月14日土曜日

【楽譜】ブゾーニ編曲「前奏曲とフーガBWV 532」とベートーヴェンのピアノソナタ全集

 ヘンレ社では、ブゾーニの企画が進行中のようで、既にシャコンヌやコラール前奏曲が出版されておりますが、このたび、オルガン作品のピアノソロ編曲、BWV532が発売されました。9月現在アマゾン(開始しました)やアカデミア・ミュージックでも取り扱っていませんが、ヤマハは取り扱いを開始しました。おそらく、初版元だろうブライトコップ&ヘルテル社のものは売っています。

 ヘンレ社ページ

ベーレンライター社発行のベートーヴェン作曲ピアノソナタ全集(デル・マー校訂版)


 8月から発売されている、ベーレンライター社発行のベートーヴェン作曲ピアノソナタ全集(デル・マー校訂版)が届きました。既に交響曲の分野での、ブライトコプフ社一強時代に風穴を開けたベーレンライター版の躍進は周知の通りでしょう。先のヤルヴィによる年末のN響第九もこの版によるものでした。ラトルのベートーヴェン交響曲全集でご存じの方も多いことでしょう。その校訂者が、ほかでもないデル・マーです。今年になってようやく全集が完成に至りました(お疲れさまでした)。2020年の楽聖生誕250周年に間に合いました。

 さてこの楽譜、原典版ということで、作曲者の意図を最大限反映するため、校訂者は運指を付け加えておりません。ヘンレ社よりピアニストのペライアが校訂を担当している版にはふんだんに載っておりますので、運指の知恵が欲しい場合はそちらを当たると良いかと思われます。

 私はこのベーレンライター版をアカデミア・ミュージックで購入しましたが、ヤマハよりも2,000円ほど高価です。しかし、解説の日本語訳が特別に付録される(発送は後日)とのこと。解説には、スラーやスタッカート、前打音のルールが載っております。楽典によると、これらルールは、時を経るに従って変化したらしく、人によってばらつきがあったようです。硬くいくならば(原典版とはそういう物ですが)作曲者の定義を確認する必要があります。解説は欧文で、その中に、英文が付いており、読めないこともないですが、辞書を引き引きやる慣れない読解はつきものですから、是非とも専門家の手を借りたいものです。

2019年8月11日日曜日

【全体録音】ショパンの新しい練習曲の第2番が弾きたい! 第2回

 梅雨時前に動画を公開して、いつの間にか盆を迎えてしまった。

新しい練習曲


 前回、「新しい練習曲」のはっきりしない番号の振り方について書いたが、Wikipediaに、ショパンの「新しい練習曲」の成立にまつわる話が載っていた。それによれば、この3曲は、当時の音楽教師か学者某のピアノ奏法の手引書に載せる付録の練習曲として依頼され、それを受けたショパンが提供したものだそうである。作品番号がないのは、作品として発表されたものではないのが理由。もしかしたら、出版当時は作曲者の名前も出ていなかったのかもしれない。また、全集ごとに整理番号が異なるのは、依頼もとの著作の乱丁によるとのことである。

 覚えることは覚えたが、怪しいところは沢山ある。
 和音の中でも、親指が不参加のものや、親指が参加しても鍵盤にうまいこと力が伝わらないものがある。当然、単音(指一本)では問題なく音を出すことができるが、指が複数同時に仕事をすると、単音で考えられないほど入れることの力の加減が不自由である、どうしてだろう。

 手首あたりで指に力を伝える腱がまとまっているという話だから、指にまつわる筋肉は一つで、それが5本指まとめて担当しているということであれば、単純な割り算で一本当たりの力は減ってしまう、ということだろうか。そうであれば単純な話で、筋力不足が原因だが……。


ラヴェルの鐘の谷


 こう暑くなって来ると、延々と終わりの見えないような楽曲を弾きたくなる。アルベニスのイベリアのいくつか、ブラームスの間奏曲など。ただし、弾きたくなると、弾けるようになるとは別のことで、毎年中途半端になって秋を迎え、興味も秋らしい楽曲に移って行き、いつまでたっても仕上がらない。

今年は、ラヴェルの鐘の谷を取り上げている。ペルルミュテール版を本棚の飾りにしておくのはもったいないし、Tres lentと要求される速度が速いものではないので、軽い気持ちで手を出したが、他の繊細と軽妙だけで出来上がっていそうなラヴェルの楽曲と同様に、簡単には弾かせてもらえないようである。延々と続く右手の伴奏は、複雑な形をしているが、指だけ見れば三度のトリルをppで弾くのとほとんど同じである。トリルほどの速度は求められないが。



 譜例①は、三声進行というやつでしょうか。休符が絡んで、慣れていないと音の長さをとることが難しい。数えた方が分かりが速い。ここは、1小節あたり4分音符4つで構成されており、8分音符を含むため、8分音符を最小単位として数えればいい。ポイントは、5拍目から最後の拍までそれぞれ音があること。だが、ペダルはどうしたらよいのだろうか?

2019年7月6日土曜日

【部分録音】ラヴェルの『クープランの墓』よりトッカータが弾きたい! 第6回

 2019年7月。毎日ピアノに触れる習慣と握力・手を開く筋肉のトレーニングを始めてから、腕と手がだるい、特に小指から手の付け根にかけて。余計な力が入っている証拠なのだろうが、なんの力も入れなくて鍵盤を押すことはできないから、ある程度のだるさは仕方のないことだ。

 だるいとはいえ、今のところ練習中につったこともないし、昔は多かった(特に小指)鍵盤の反発に指が押され負けることが少なくなった。小指を伸ばそうとすると発症する第二関節が内側に折れ曲がる症状も激減しているため、総合すれば良い方向に向かっているのではないかと思われる。

ラヴェルの「トッカータ」インチキ版の詳細


 私の手は、限界まで開いて9度がやっとの大きさしかなく、ラヴェルのトッカータにあらわれるいくつかの和音を抑えるのは困難で、演奏の道中出くわす度にいやな思いになる。その代表的なものが、以下の冒頭である。



 インチキ版では、赤枠で囲った部分の右手和音の再低音である#Fを抜いて演奏している。Eは全て拾う。これにより、和音を抑えるのが非常に容易になって、和音の粒ぞろいも改善し、なにより練習の甲斐ある難易度に落ちつき、同曲の練習機会も格段に増加した。以前は、最初の数小節で永遠に弾く事の出来ない部分にぶち当たるため、練習する気さえ起らなかったのである。しかし、この簡便化は、ラヴェルの和声上の特色の一つである短一度を消し去ることであるため、作曲家はまず了承しないだろう。しかも、芸術上の要請ならまだしも単純な難易度降下を目的であるからなおさらである。
 しかし、冒頭という配置は練習のモチベーションに大きくかかわるため、しばらくはこのまま練習を続けていくことにした。

 もう一つ、まだインチキ候補に留まるものだが、前半のクライマックスを作る個所に、以下のような部分がある。



 赤枠で囲った部分、9度が難なく届くのであれば、何の困難もない部分であるが、ある程度速度を出しての1度の跳躍の連続は、細心の注意が必要ではなかろうか。未だ取り組んでもいないので、最初から簡便化するつもりはないのだが、インチキ適用候補である。

練習成果


 そんなこんなで、譜読み完了個所を増やし、日々練習に取り組んでおります。ご覧の通り、音をさらうのがやっと。

2019年5月5日日曜日

【全体録音】ショパンの新しい練習曲の第2番が弾きたい! 第1回

 新しい練習曲集の中にある変イ長調の成立は、作品25の後、第二バラードや第三スケルツォと同時期で、そのために「新しい」と冠されている。新しい練習曲集のショパン作品目録の中での扱いは、全集ごとに異なっていて定まらず、どういうわけか作品番号が付されていない。新国定版エキエル編では、セットの三曲とともに生前の出版を示す黄色表紙の中に含まれて(なお、幻想即興曲として有名な作品66は白表紙の遺作扱いである)おり、再度一定の見解が示されたが、エキエル編の全集目録には私の目には過激に映る点がある。特にピアノ・ソナタでは、第一番の遺作への異動による繰り上げに伴い、作品35を1番に、作品58を第2番として扱っている点は非常に紛らわしい。この実用性にかかる問題は、私以外にも問題と見えるらしく、レーベルやCD等の販売店も無用な混乱を避けるためかエキエル編集版目録の採用を避けている。事実上の黙殺である。一般に浸透するには長い時とそれ以上の努力が必要だろう。新しい練習曲集の漂流は続く。

 この曖昧さが気になるのも、この作品の魅力によるのだ。魅力はどこに置いておいても変わらない。余暇の楽しみを少しだけ底上げしてくれる、あの旋律が美しいのである。

技巧


 第2番は、右手はすべて和音と重音進行をのみで構成され、旋律はそのもっとも高い音でつながっている。そして、演奏者にとって避けられないのが、全体にわたって採用された複合リズムである。右手:左手=3:2という最も基本的なパターンだが、こういうものは、初心者にとって、見るだけで気分が落ち込むものだ。しかし、ショパンが旋律の自由な運動を強く望む時、必ず現れるのがこの技巧である。避けては通れない。



練習

① 複合リズムの弾き方について、ヒントを得ようといろいろ見て回ったが、どれも参考にならなかった。最小公倍数がどうのという机上的説明や、一小節あたりの右手左手それぞれの演奏時間を均等にすればよいという無意味な説明もみたが、この手の説明が平気な顔をして流布している原因を考えれば、つまりは頭で処理するよりも聴覚上不自然でなければ良いという意味ではないだろうか。
 こういうものは厳密かどうかはともかく、慣れるのが手っ取り早いように思われる。慣れれば後で調整が効く。慣れる方法としては、以下の拍子を手で机なり膝なりを叩いてみると良い。

右手:●● ●
左手:● ●
●=拍

 いきなり譜面のリズムを再現するのは難しい。最初は、1拍目は両手同時だが、左手の2拍目が、右手の2,3拍目の間に入る事を意識すれば良い。
 しかし、このままでは不正解なので、右手の三連符にあたる拍子の音価を均等にする。耳は右手の拍が「タ、タ、タ、タ、タ、タ、」と均等であるかに注意し、それに応じて、左手は右手に合わせる。

右手:●●●
左手:● ●
●=拍

② 運指は、エキエル版を全面的に信用して良い(少々値が張るけれども)。無理のない進行を基本にした、まんべんなく指を使う運指で、弾きやすさはに加えて、どの指が弱いのかがわかるのもポイント。運指にしたがって、鍵盤を上から押すような感覚でなぞっていくといいでしょう。

 ところで、弱い指を強くするにはどうしたらよいのだろうか。ピアノは、肩から腕そして手にかけての筋肉で演奏するものだが、肩と腕の力を鍵盤に伝えるのは指である。腕立て伏せをやってみればわかるが、上体を支えることができる方や腕と指では、比べようもないほどに力量の差異はあり、指はその荷重を耐えなければならないが、私のような手の小さい人(普段は8度、無理して9度しか届きません)が和音をやる場合は特にそうだが、手を広げて鍵盤を押す関係で、指の力の入れ方は、「つかむ(握る)」のではなく「伸ばす」もので、一般的な握る握力とは違う。

 手の運動は、手に張り巡らされた腱が腕の筋肉によって伸展することによって実現する。腱を動かしているのは腕の筋肉である。本当はサーモグラフィーでも使えば一目瞭然だろうが、簡単な方法として、指で鍵盤を押してみる際に、その腕を反対側の手でつかんでいれば、筋肉の運動を確認することができる。「つかむ(握る)」とは別の筋肉が動いているはずだ。結論から言えば、その筋肉を鍛えれば良いわけで、アマゾンで簡単に探してみたら、リハビリ器具にその手のものがあり、早速購入して試してみると、全然手を開くことができなかった。鍛える余地があるわけだ。しばらく試してみることにする。

 あとは、譜読みをして、回数を重ねれば、コルトー張りのルバートもかけられるようになる(かもしれない)。

 結果は以下の通りである。2分強で終わってしまうのに、再生時間が長いのは、譜読みが万全でないため。


2019年4月21日日曜日

【全体録音】ショパンの英雄ポロネーズが弾きたい! 第5回


 目的もなく弾くことがこれまで以上に多くなり、「英雄ポロネーズ」の冒頭を始めとした難所を延々と繰り返している。いざこれの全体を通してみようと試してみると、つまずきが多くて、おもしろくない。ひとつ案として、弾けない所を補修するやり方が効率的であっても、通しをやらないことには楽曲になっていかないのではないか、通しの練習をすべきだと考えるも、時間は有限であり、選択が必要になる。どちらが正しいのかわからない。が、誰も教えてはくれない。と、出来上がった録音は、とても人様に出せるものではないけれど、その過程を披露するのがこのブログの主題である。

 変えたことが二点ある。一つは、弾けた弾けなかったの基準を自分なりにきめ直した。例の六度の半音階上昇の場面(以下譜例)で、ゆっくり弾いたとおりの音が大体出てくれば良いとしていたが、これを緩和して一番高い音(譜例赤枠)が連なりで出ていれば良しとした。重旋主義である。

 もう一点は、握力の筋トレ器具を購入したことである。よくあるVの字のやつで、メーカーはVISION QUESTと言う会社だろうか、輸入販売が株式会社ヒマラヤと言うことだけは、はっきりしている。ちなみに強さは約25kg。30kgでもよかったかもしれない。読書に疲れた時や、何も考えたくない時に無心に握っている。その影響か、以前に比べて、左手オクターブの低音が出るようになり、右手のメロディーラインは鮮明になりつつある。

映像について


 今までの映像は、画像を一枚張っただけの殺風景なものであったが、今回より、譜面をスライドショーのように録音に連動させてみた。楽譜はimslpにあったミクリ版を使用した。面倒なうえに、自己採点をやっているようで、あまりいい気分はしなかったが、間違いを知らず放っておくのも良いことではないと、ごまかし、ごまかし作業に没頭した。こう見直していると、上手くいっている部分とそうでない部分があって、やはり、細部が無ければ全体もないという事だろうか。
 画像編集とムービーメーカーの操作で一日作業になるかと思っていたが、1時間ほどで完成してほっとしている。エンコードの方が時間がかかった。

2017年11月11日土曜日

作曲者によるダフニスとクロエのピアノ独奏編曲

Ravel: Daphnis Et Chloe / Stravinsky: Petrouchka

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 Wikipediaによると、このダフニスとクロエの出版はピアノ譜からだそうで、と言うことは作曲者によるピアノ編曲が存在するということ。わざわざこんな言い方をするようなことでもない気がしますが、ラヴェルの管弦楽曲のピアノ版(逆の物もあるが)は、演奏会で取り上げても遜色ないものが多く、それどころかピアニストの主要レパートリーの一角を占めるほどです。そんな中で、今の今までなかなか取り上げられなかった。であるから、存在自体に驚いているのです。それに、なんといったって、あのダフニスとクロエですから。

  編曲は抜粋で、ラヴェルがピアノ的であるとは判断した箇所を選んでいる模様。さすがに第三幕の雄大な部分をピアノでやらせようとはしていません。

 楽譜はIMSLPにありますが、安定感のないデータなのでお勧めできません。と言っても下記の出版譜も、譜読みに問題はないとはいえ、21世紀とは思えないFAXのような印刷で、解説校訂報告はありません。録音もある icon。

追伸

上で『ダフニストクロエ』のピアノ・ソロ版は抜粋のものしかないと書きましたが、全曲版が存在するようです。楽譜は、アマゾンで見つけました。[chant & piano]の表記が気になるところであるとともに、高価なもののようなのです。

追伸2

[chant & piano]の上記の楽譜ですが、取り寄せて確認したところ、全曲のピアノソロと合唱の楽譜が併記されたものでした。

Daphnis Et Chloe - A Score for Solo Piano (1912)
Maurice Ravel
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2016年10月9日日曜日

【録音】ショパンのマズルカ遺作第4番(WN24、旧作品68-1)をうまく弾きたい! 第2回


仕上げ段階に入ったか?


    ここには全然書いていませんでしたが、この曲とはずいぶんと長い付き合いです。どこが難しくて、どこが簡単かも知り尽くしていると言っても、まぁ、許されましょう。こんなつまらない録音をアップロードしていたところで、この楽譜に沿って指を動かしてみれば、それくらいのことはわかります。そしてそのこと同じように取り組んでみれば誰にでもわかります。しかし、ミケランジェリの弾くこの曲の美しさの秘密はいまだに謎のままで、ピアノという楽器の奥の深さと、音楽芸術における完成度(ミケランジェリの音楽は決して衒学的ではありませんが、一観衆としての愉しみはこの際問題にしません)の底知れぬ感じも触れてみなければわかりません。

    時代も流れて、この曲の扱いも変わりました。ポーランド国定ショパン原典版楽譜通称エキエル版では、今まで作品68-1として扱われていましたが、新たにWN24という整理番号とマズルカ遺作第4番という位置づけをされての再出発となりました。作品番号からは除外となりましたが、ほとんど傑作集と言って過言ではない遺作集(なぜ生前に出版されなかったかわからない楽曲を集めたという意味ですから)入りと、運指が多く追加されているところを見ると、むしろ扱いがよくなったのではないかと思われます。快活さと歌の魅力が両立したショパン初期の傑作の一つとして、これから多くの人々に愛好されると、愛奏人の一人としてもうれしいことです。

課題の列挙


    さて、上の録音で満足いくわけがありません。少しでも完成度を高めるために問題点を指摘して課題を設定します。

1.    全体的に和音が不ぞろいである。

録音してみないとわからないことです(録音してみると残酷なまでにはっきりときこえるのです)が、いい加減に弾いているならともかく、そうでなくとも音はそろってくれません。

対策として、以下のことを実践する。

①全音符に対し、ちょうど液体が容器の細い隙間にまで注ぎ込まれるように、意識を指先にまで流し込むような態度でもって鍵盤に触れること。

②和音は個別に揃った時の音と、指の感触を確認し、把握する事。そして、把握した音を各々自由に引き出すことができるようにすること。

関連して、以下譜例の部分の改修をした方が良いような気がしました。


ミケランジェリでは、和音全体が不思議なテノールを響かせて対旋律のように扱っていました。これを導入したいです。

2.    意図しないテンポルバートの排除

手が忙しいなどの理由で、無意識のうちに、楽曲の中に句読点を打ってしまうことはよくあります(私だけかもしれません)が、これはその典型例と言えましょう。四分音符が二分音符ほどの長さとなってしまっています。


 ただ、一方で、オクターブが続く部分とその後では、明らかに音楽の性質が違うので、何か区切りが欲しいところです。ペダルを離して、リズムを変形させずに聞こえるか聞こえないかの無音を挿入するのが良いのかもしれません。この記事のために初版を編集する際に楽譜をよく見たら、ペダルを離せとの指示がありました。精読が足りない証拠です。

3.    A部分のルフランの整備

2.と似たようなものですが、この曲最大の難関と言っても過言ではない、A部分の締めくくりです。見た目は地味ですが、やたらと弾きにくい。しかもAが現れるたびに必ず現れます。通しで弾くことのできるようになるまでは、この一小節を延々と練習していたような記憶があります。


あまり期待していませんでしたが、エキエル版での運指の工夫もなく、私がいつも採用している指の動きが書いてあるだけでした。もう回数を重ねる以外に上手くなる方法はないように思われます。コツは、左手のリズムを前小節と全く同じ感覚で切ることです。そうするとおのずと課題が見えてきます。弾くことができた暁には自在な手の開きが可能となっていることでしょう。

4.    B部分を無理なく歌うように

Bの部分でWN24に取り組み始めたという人もいるかもしれませんが、なかなか厄介な部分です。しかも、一度しか現れません。つまり、自己満足の範囲であろうと失敗が許されないのです。指が忙しいのは、以下の部分。最後の跳躍は運が絡むというほかないです。
エキエル版が救世主のような運指を提案してくれました。ドイツ初版にもありました。

 tr(エキエル版の注によればマズルカでのtrはwを意味するのだそうです)は相変わらず忙しいままですが、譜例の第二小節目が無理なく歌えるようになったのは大きいです。使わない手はないでしょう。

いろいろ書きましたが…


    結局は、練習によって頭と手に覚え込ませなければ、音になってくれないのです。机上でできることと言えば、練習時間を減らすという一事のみです。

つづく

ショパン : マズルカ集/エキエル編 (ポーランド語版)/ポーランド音楽出版社/ピアノ・ソロ

ポーランド音楽出版社 (2010-03-01)
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2016年5月7日土曜日

ショパンの英雄ポロネーズに特化した楽譜


 英雄ポロネーズは、ショパンが作曲した楽曲の中でも「幻想即興曲」「革命」「別れの曲」などと呼ばれるものと並んで人気のあるものです。内容は起伏に富み、華やかで、技巧的にもやや難しいという絶妙な位置にあり、私などは「私はピアノを弾けます」と言うときには、たいていこれを盾に出します。

 Amazonで本を探していたら「ポロネーズの絶頂である英雄ポロネーズ」という言い方をしているものもがあり、確かに、ショパン以前のポロネーズとショパン以後のポロネーズは、まるで違っていて、以後にあってはもはや一リズムの類系や形式の名称にとどまらず、ベートーヴェンにおけるスケルツォ並みの革命が作曲者の手によってなされたと言ってもよいように思われます。リストのポロネーズにしても、ショパンの影響なしには考えられない姿をしているところからして明らかではないでしょうか。

 ただ、一般には巨大なアンコールピースとして君臨しているようで、演奏会での扱いも様々な華やかな技巧的な装飾を伴った演奏が現れていた例もあったようです。ショパンの悩んだ跡から、弟子への指示、演奏家の改訂を、上の楽譜では多く取り入れたようです。偉大な楽曲は、演奏史も偉大なのです。  ここまでは、買う前の話でした。実態は、校訂者が言うところの権威ある版、イギリス、ドイツ、フランス初版、ミクリのメモを参考にした原典版です。どちらかというとフランス初版を基調としたものですが、どうもどの版を見ても現代のショパンの社会的地位と比べて、出版社のショパンの扱い方は雑なように思われます。全初版に相違がある事実は、ただ写譜屋の腕によるということなのでしょうか? 通信手段はそこまで劣悪だったのでしょうか? そうかもしれません、校訂者はこの相違をもとに考察の上原典版を作っているようです。私が見た中で、現代の権威の一つであるエキエル版との最大の相違は、以下の赤枠部分です。
 画像はドイツ初版です(IMSLPにあります)。ウィーン原典版では、該当赤枠部分のシの音がドになっております。つまり、ドの音の連打になります。個人的に言えば、受け入れらない。あまりに違いすぎるのです。

2016年4月10日日曜日

ラヴェル/『クープランの墓』(ペルレミュテール校訂版)

ラヴェル・ピアノ曲集 VII: クープランの墓

音楽之友社
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 音楽之友社が、 従業員の労働環境の問題で何やらきな臭くて、それもこれも資金不足が原因でだろうから、いくつかの企画は予算が回らくなり途中欠けで終わるのだろうと思ってもいたが、出てきてくれた。

 ペルルミュテールは、ラヴェル演奏については非常に高い評価を得ているピアニストである。一般に、ラヴェル直伝の奏法によるためという理由付けがされているが、これは厳密な言い方ではなく、ラヴェル自身は、演奏者の演奏に師範のように 介入することはなかったようである。しかしながら、求められれば助言くらいはしたようで、ペルルミュテールは、そこからさまざまな演奏上の工夫を引き出した、それをメモした楽譜という点が、この一連のペルルミュテール校訂版ラヴェルシリーズの最大の特徴である。

 少なくとも、ペルルミュテールは、ラヴェルの音楽に非常な時間を割いていたことも間違いないようである。ただ、研究家の退屈な演奏というものも世の中に蔓延していることもまた確かなことだ。だが、この点の心配はないように思われる。ペルルミュテールのラヴェルは、精巧な静かな詩情に満ちたものである。なかでも、『クープランの墓』に関しては、最高の名演ではないか? なかでもトッカータは出色で、一般に技巧的な音楽として、音を外さずに弾きこなすことで話題になる音楽の一つだが、そういう事情もあってか、一息に捻じ伏せる演奏が多いのもまた事実である。思い出したようにルバートをかけたところでダメである。ペルルミュテールからしてみれば、芸術上の効果の問題以外に見ないので、この音楽の構成を大雑把に把握すれば、あとは前後の部分の対比を強調して、大団円へと向かっていくというからくりを主軸に置くことを基本とし、細部を練り上げていく。あるべきものがあるべきところで鳴っているという感じがするとともに、硬くならない。要するに理想的な演奏が具えているものを、だいたい具えているのである。「自然な演奏」と呼ばれているものは、概して無色透明の誇張を含んでいるものだが、ラヴェルの自然体ペルルミュテールの楽譜には何と書かれているのだろうか?



ヴラド・ペルルミュテール~The Nimbus Recordings

NIMBUS KOREA (2013-11-30)
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2015年3月23日月曜日

ベートーヴェンのカヴァティーナのピアノ編曲

 ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲の作品130に含まれているカヴァティーナという楽章があります。同作曲家の第九交響曲の第三楽章を超える吸引力で陶酔を誘う途轍もない曲です。後世の作曲家は、この曲の持つ純粋な姿にひかれて、いくつかのピアノ編曲を書いたようです。それにしても、弦楽四重奏曲のピアノ編曲とは、随分な冒険をしたものだと思いました。

 バラキレフとタウジッヒの編曲を見つけましたが、出来栄えから言えば、バラキレフの方が断然よいものと言えます。バラキレフの美点は、原曲に忠実であると言えましょう。一方でタウジッヒは、ピアノで弾くための様々な趣向を凝らしています。これ自体は感心すべき点ではありますが、許しがたいのは、真ん中後半に現れる主題の扱いです。シンコペーションをしながら現れる、星を散らしたような旋律は、その奇怪なリズムの配置から、私には現代音楽の走りのようにすら聞こえますが、内容は完全にロマン派のそれです。タウジッヒが目を付けたのは、旋律のロマン派的魅力であるように思われます。シンコペーションはアルペジオに置き換えられ、元々あった、ある種の、効果の上で重要な違和感を誘う音の配置が台無しになってしまっているのです。旋律美だけがあの部分の魅力ではあるまい、私にはこれが我慢ならないのです。その点バラキレフは、ピアノという楽器が、あのような音の配置がピアノ的ではないと知りながらも、そのままの形で提出しています。以下バラキレフ版の演奏。

2014年9月19日金曜日

3つの「ラ・カンパネラ」

リスト 3つの『ラ・カンパネッラ』

ヤマハミュージックメディア
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 ラ・カンパネラと言うと、甲高い調子の文章が特徴のサイトをすぐに思い出されるのですが、それに呼応したかのように、三種類のラ・カンパネラを用意した楽譜が登場しました。パガニーニとラ・カンパネラを愛するピアノ弾きの皆様にとって格好の一冊ではないでしょうか。

 とはいえ、この三曲はとても弾けるような代物ではありません。この中で最も簡単なものが最も有名なパガニーニ大練習曲第3番S141-3で、これにしたって一般的には、至上の難曲として知られています。他2曲は、10度が届く手を要求するため、 その点でも手を出しづらい楽曲といえるでしょう。

 内容的には、S141が最も良いとの評判もあり、他は弾きこなすこと自体が目的の登山的な、腕自慢的な要素が多くを占めるのではないかと思われます。しかし、新たな演奏が、常識定見を覆すことなどいくらでもあります。通俗名曲ですら、現代においても新たな魅力を発見され続けているのですから。


11人の名ピアニストによるリスト:ラ・カンパネッラ
オムニバス(クラシック)
EMIミュージック・ジャパン (1999-12-24)
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2014年7月16日水曜日

ショパン手稿譜ファクシミリ全集

ショパン : ポロネーズ集/エキエル編(英語版)/ポーランド音楽出版社ピアノ・ソロ   ポーランドは何度も侵略の憂き目にあっていることもあると同時に、美しいワルシャワの街も、今でこそ少なからず修復されたものの、ずいぶん被害を被ったのは周知のとおりであるが、それゆえポーランド国民は愛国心が強く、偉大な世界的芸術家であり同胞であるフレデリック・ショパンに関する事業には実に熱心である。これは、やや誇張が過ぎる言い方なのかもしれないが、そこまで遠い話でもないように思われる。というのも、数ある原典版楽譜でも、国定版なるものが存在するのはショパンだけではないだろうか。それも第二弾が刊行されたのは周知の通りである。今度はショパンの手稿譜ファクシミリ全集が刊行された。

『ショパン手稿譜ファクシミリ全集』は、フリデリク・ショパンの手稿譜の忠実な複製を出版することによって、彼の遺産をポーランドおよび世界で保存し、普及すること、研究のためにショパン自身が書いた音楽的するにあたれるようにすること、そして作曲者の意図に最大限近づいた演奏を可能にすることを目的としています。(製作元冊子より)

 そもそも原典版なるものが、資料をもちいた実証主義的観点から作られており、作曲者の自筆譜はこの手の結論を出すにおいて最も信頼のおける資料であることは言うまでもなく、ほとんどの答えとすら言えるのかもしれない。第一の刊行目的はそれの「ポーランドおよび世界で保存し、普及」するということらしい。このシリーズには「原資料についての解説」なるものが含まれており、これが「作曲者の意図に最大限近づいた演奏を可能にする」ための助言のようなものであろう。

販売店サイト
ショパン : マズルカ集/エキエル編(英語版)/ポーランド音楽出版社ピアノ・ソロ

ポーランド音楽出版社
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2013年8月18日日曜日

疾走する悲しみをピアノで?

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)

「疾走する悲しみ」のピアノソロ編曲

  モーツァルトの傑作、弦楽五重奏曲四番K.516のピアノソロ編曲がIMSLPあるようです。もうここまでくると、有名曲は全てピアノソロ編曲されているのではなかと思えてきます。



  ちなみに、「疾走する悲しみ」という表現は、批評界の巨匠小林秀雄が劇作家のアダンの言葉を引いたものです。これは聴いてみるとわかるのですが、序奏もなく簡単なリズムを刻みながら第一主題が朗々と、また、颯爽と流れてくるさまは、本当に「疾走する悲しみ」というように感じます。音楽とは不思議なものです。

  さて、編曲の方ですが、どういうわけか、いくらかの声部を省略しているようです。弾いてみる際は、原曲の楽譜に照らし合わせながら適宜追加するということをしなければならないかもしれません。



モーツァルト:弦楽五重奏曲全集
アマデウス弦楽四重奏団
ユニバーサル ミュージック クラシック (2010-02-24)
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2013年4月9日火曜日

プロコフィエフのピアノ協奏曲3番の楽譜



やっとみつかったけれど、凄まじい値段だ・・・。国内版は無いようなので、これでどうにかするほかないようですね。無論、鑑賞用です。

  冒頭の木管の物悲しい調べから始まったかと思ったら、ピアノの駆け上がる音階が入ってきて、例の最後の同音連打の部分まで聞き手の興味を引き付け続ける名曲です。あまりに簡便にすぎる言い方ですが、作曲家の抒情と打楽器的ピアノ使用が存分に発揮された楽曲と言えましょう。

 プロコフィエフは、1891年4月23日に生まれ1953年3月5日になくなったので、著作隣接権(経済関連)は失効しているはずですが、とくにアメリカでは著作隣接権の保護期間が70年ということもありIMSLPの楽譜アップロードは消極的です。二台ピアノ版は、探せばあるかもしれませんが、見当たりません。買うほかないようです。

 さて、ピアノ協奏曲第3番は、下に掲載したアルゲリッチ、アバド、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の物が有名で、名演でありますが、最近ではランラン、ラトル、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団といったものが出てきました。一昔前だと、カペルも取り上げていまして、これは疾走感とカペルの強靭で健康的な熱気を存分に含んだ名演でした。

Prokofiev, Ravel: Piano Concertos, etc / Martha Argerich

Deutsche Grammophon (2000-03-29)
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2013年1月21日月曜日

ブラームス交響曲全集のピアノソロ編曲

まさかのブラームスの交響曲

 ベートーヴェン交響曲全集は、リストのものが有名で、リスト自身、序言で「出来の悪い編曲を締め出すとともに、大ベートーヴェンの楽曲を調べるにあたって有益となるように」とかなんとか自信に満ちた事を書いていまして、内容も見合ったものではないかと思われます。彼のベートーヴェンへの敬意とリサイタル用楽曲としての側面を維持するという問題の間での葛藤の末に導き出したリストの天才的書法には、驚くべき部分があります。

 ベートーヴェン交響曲全集カツァリスが質の高いアルバムを出しています。もっとも、カツァリスの物はリストが演奏難易度を落とすために省略した声部を補ったものです。いわゆる英雄交響曲の第四楽章は、その特筆すべき楽章でしょう。対位法的な部分を抜けた後に現れる、短調の颯爽とした猛々しいあの部分です。普段なら技巧的なものを示すだけの両手交互オクターブをバランスの観点から音響の増加と容易さを両立するため効果的に使っていたり、フルートの上昇音階が入っていたりしています。きわめて聴きごたえするものなので、カツァリスは使用した楽譜を一般販売すべきでしょう。お願いします。

 それで、音を横に延ばしたり、大きくクレシェンドしたり、各楽器のソロが登場したりするブラームスの交響曲にピアノ独奏版があるとは思いませんでした。まぁ、モーツァルトのレクイエムのピアノ独奏盤が存在する時点で、いやな(?)予感はしたのですが。



 出来栄えの方は、3番が頭一つ出ていて、後の1,2,4番は、かなり痛々しいというか、諦めたかのような部分が多いです。ブラームスの交響曲を聞けばでくわす、あの香り立つような響きは、木管の豊かな音色からなる物でしょう。楽器特有の魅力と結びついているあの音は、ピアノでは再現できないでしょうが、興味のある方は是非一度手を出してみてはいかがでしょうか? 上に譜例として挙げている第3番の第3楽章の出来栄えは出色です。楽譜はIMSLPにあります。リンクからどうぞ。

Beethoven/Liszt: Symphonies 1-9
Beethoven/Liszt: Symphonies 1-9
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Beethoven Liszt
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