取組楽曲と進捗一覧

ABCDE
1
作曲家名楽曲名総小節数暗記小節数暗記小節数の割合
2
フレデリック・ショパンマズルカ遺作第24番4040100.00%
3
フレデリック・ショパンポロネーズ第6番「英雄」181181100.00%
4
フレデリック・ショパン前奏曲第3番3333100.00%
5
フレデリック・ショパン新しい練習曲第2番6060100.00%
6
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりトッカータ25212951.19%
7
フレデリック・ショパン練習曲作品10第1番792227.85%
8
ヴラディミール・ホロヴィッツカルメン変奏曲1573220.38%
9
クロード・ドビュッシー前奏曲第5番「アナカプリの丘」961212.50%
10
ヨハン・セバスティアン・バッハパルティータ第5番9588.42%
11
モーリス・ラヴェル鏡より「鐘の谷」5447.41%
12
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりメヌエット12800.00%

2019年5月5日日曜日

【全体録音】ショパンの新しい練習曲の第2番が弾きたい! 第1回

 新しい練習曲集の中にある変イ長調の成立は、作品25の後、第二バラードや第三スケルツォと同時期で、そのために「新しい」と冠されている。新しい練習曲集のショパン作品目録の中での扱いは、全集ごとに異なっていて定まらず、どういうわけか作品番号が付されていない。新国定版エキエル編では、セットの三曲とともに生前の出版を示す黄色表紙の中に含まれて(なお、幻想即興曲として有名な作品66は白表紙の遺作扱いである)おり、再度一定の見解が示されたが、エキエル編の全集目録には私の目には過激に映る点がある。特にピアノ・ソナタでは、第一番の遺作への異動による繰り上げに伴い、作品35を1番に、作品58を第2番として扱っている点は非常に紛らわしい。この実用性にかかる問題は、私以外にも問題と見えるらしく、レーベルやCD等の販売店も無用な混乱を避けるためかエキエル編集版目録の採用を避けている。事実上の黙殺である。一般に浸透するには長い時とそれ以上の努力が必要だろう。新しい練習曲集の漂流は続く。

 この曖昧さが気になるのも、この作品の魅力によるのだ。魅力はどこに置いておいても変わらない。余暇の楽しみを少しだけ底上げしてくれる、あの旋律が美しいのである。

技巧


 第2番は、右手はすべて和音と重音進行をのみで構成され、旋律はそのもっとも高い音でつながっている。そして、演奏者にとって避けられないのが、全体にわたって採用された複合リズムである。右手:左手=3:2という最も基本的なパターンだが、こういうものは、初心者にとって、見るだけで気分が落ち込むものだ。しかし、ショパンが旋律の自由な運動を強く望む時、必ず現れるのがこの技巧である。避けては通れない。



練習

① 複合リズムの弾き方について、ヒントを得ようといろいろ見て回ったが、どれも参考にならなかった。最小公倍数がどうのという机上的説明や、一小節あたりの右手左手それぞれの演奏時間を均等にすればよいという無意味な説明もみたが、この手の説明が平気な顔をして流布している原因を考えれば、つまりは頭で処理するよりも聴覚上不自然でなければ良いという意味ではないだろうか。
 こういうものは厳密かどうかはともかく、慣れるのが手っ取り早いように思われる。慣れれば後で調整が効く。慣れる方法としては、以下の拍子を手で机なり膝なりを叩いてみると良い。

右手:●● ●
左手:● ●
●=拍

 いきなり譜面のリズムを再現するのは難しい。最初は、1拍目は両手同時だが、左手の2拍目が、右手の2,3拍目の間に入る事を意識すれば良い。
 しかし、このままでは不正解なので、右手の三連符にあたる拍子の音価を均等にする。耳は右手の拍が「タ、タ、タ、タ、タ、タ、」と均等であるかに注意し、それに応じて、左手は右手に合わせる。

右手:●●●
左手:● ●
●=拍

② 運指は、エキエル版を全面的に信用して良い(少々値が張るけれども)。無理のない進行を基本にした、まんべんなく指を使う運指で、弾きやすさはに加えて、どの指が弱いのかがわかるのもポイント。運指にしたがって、鍵盤を上から押すような感覚でなぞっていくといいでしょう。

 ところで、弱い指を強くするにはどうしたらよいのだろうか。ピアノは、肩から腕そして手にかけての筋肉で演奏するものだが、肩と腕の力を鍵盤に伝えるのは指である。腕立て伏せをやってみればわかるが、上体を支えることができる方や腕と指では、比べようもないほどに力量の差異はあり、指はその荷重を耐えなければならないが、私のような手の小さい人(普段は8度、無理して9度しか届きません)が和音をやる場合は特にそうだが、手を広げて鍵盤を押す関係で、指の力の入れ方は、「つかむ(握る)」のではなく「伸ばす」もので、一般的な握る握力とは違う。

 手の運動は、手に張り巡らされた腱が腕の筋肉によって伸展することによって実現する。腱を動かしているのは腕の筋肉である。本当はサーモグラフィーでも使えば一目瞭然だろうが、簡単な方法として、指で鍵盤を押してみる際に、その腕を反対側の手でつかんでいれば、筋肉の運動を確認することができる。「つかむ(握る)」とは別の筋肉が動いているはずだ。結論から言えば、その筋肉を鍛えれば良いわけで、アマゾンで簡単に探してみたら、リハビリ器具にその手のものがあり、早速購入して試してみると、全然手を開くことができなかった。鍛える余地があるわけだ。しばらく試してみることにする。

 あとは、譜読みをして、回数を重ねれば、コルトー張りのルバートもかけられるようになる(かもしれない)。

 結果は以下の通りである。2分強で終わってしまうのに、再生時間が長いのは、譜読みが万全でないため。