だるいとはいえ、今のところ練習中につったこともないし、昔は多かった(特に小指)鍵盤の反発に指が押され負けることが少なくなった。小指を伸ばそうとすると発症する第二関節が内側に折れ曲がる症状も激減しているため、総合すれば良い方向に向かっているのではないかと思われる。
ラヴェルの「トッカータ」インチキ版の詳細
私の手は、限界まで開いて9度がやっとの大きさしかなく、ラヴェルのトッカータにあらわれるいくつかの和音を抑えるのは困難で、演奏の道中出くわす度にいやな思いになる。その代表的なものが、以下の冒頭である。
インチキ版では、赤枠で囲った部分の右手和音の再低音である#Fを抜いて演奏している。Eは全て拾う。これにより、和音を抑えるのが非常に容易になって、和音の粒ぞろいも改善し、なにより練習の甲斐ある難易度に落ちつき、同曲の練習機会も格段に増加した。以前は、最初の数小節で永遠に弾く事の出来ない部分にぶち当たるため、練習する気さえ起らなかったのである。しかし、この簡便化は、ラヴェルの和声上の特色の一つである短一度を消し去ることであるため、作曲家はまず了承しないだろう。しかも、芸術上の要請ならまだしも単純な難易度降下を目的であるからなおさらである。
しかし、冒頭という配置は練習のモチベーションに大きくかかわるため、しばらくはこのまま練習を続けていくことにした。
もう一つ、まだインチキ候補に留まるものだが、前半のクライマックスを作る個所に、以下のような部分がある。
赤枠で囲った部分、9度が難なく届くのであれば、何の困難もない部分であるが、ある程度速度を出しての1度の跳躍の連続は、細心の注意が必要ではなかろうか。未だ取り組んでもいないので、最初から簡便化するつもりはないのだが、インチキ適用候補である。
練習成果
そんなこんなで、譜読み完了個所を増やし、日々練習に取り組んでおります。ご覧の通り、音をさらうのがやっと。