取組楽曲と進捗一覧

ABCFG
1
作曲家名楽曲名総小節数暗記小節数の割合譜読み小節数の割合
2
フレデリック・ショパンマズルカ遺作第24番40100.00%100.00%
3
フレデリック・ショパンポロネーズ第6番「英雄」181100.00%100.00%
4
フレデリック・ショパン前奏曲第3番33100.00%18.18%
5
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりトッカータ25217.46%2.78%
6
クロード・ドビュッシー前奏曲第5番「アナカプリの丘」9612.50%4.17%
7
ヨハン・セバスティアン・バッハパルティータ第5番958.42%8.42%
8
ヴラディミール・ホロヴィッツカルメン変奏曲15719.11%1.27%
9
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりメヌエット1280.00%0.00%
※譜読みは楽曲の一般的なテンポで演奏可能を意味するもの。※2018年6月17日現在。 ※随時更新。

2016年10月21日金曜日

【部分録音】ショパンの英雄ポロネーズが弾きたい! 第2回



半音階の歌曲風の部分以外は仕上げ入り



    この程度の腕前で、よく「英雄ポロネーズが弾ける」と言えたものだと考えた人も多いのではないでしょうか。録音であればそういうことになりますが、実際にはもっとハッタリが効きます。そんなものには頼りたくありませんが。

    英雄ポロネーズは、よく取り上げられるとともに、大柄な楽曲と言うイメージがついて回っているため、大雑把な演奏に出くわすことが多く、それでそれなりの効果が出てくれるので、楽譜に書き込まれた細かい(場所によっては細かすぎる)指示を見落としがちになります。ショパンの記譜を信じることは、彼の演奏家としての腕前を信じることと同義です。演奏家としてかなりの上で前を持っていたショパンの現場での経験を信じてみるのは、無駄なことではないでしょう。実現にはより多くの困難を伴いますが、意外な発見があるかもしれません。私はこのように書きながら怠惰な自分に細部まで仕上げるよう説得しているのです。



課題と演習



1. 休符無視

    第一音目と第二音目の間のことです。休符を無視したならば、入れてしまえばよいのですが、独学者にとってつらいものの一つに、リズムの取り方があります。指導者をつけての正しい休符の取り方(算術的な物理学的な無音の感覚を正しく把握する方法)は、基準や知識としてほしいものです。でなければ、例えば、この場面にしても「しっかりと伸ばす」程度の対策以外に手の打ちようがありません。独学者はすべての休符にフェルマータをつける羽目になります。指導を受ける機会に恵まれた方は、知識としてでも覚えていた方がよいように思われます。人間の時間感覚は誠あてになりません。食中毒を避けるために、料理でストップウォッチを使うようなものです。

2. 繰り返される音型の数え間違い

    暗記あるのみです。以下の譜例の個所以外にも、左手でオクターブが繰り返される場所や、別の曲だとノクターンの第2番のトリルの個数の間違いは、結構あるようです。知っている人にとっては、気持ちが悪いでしょう。

3. 第一主題の畳句にあたる部分が固い

    ここは左手の手のひら気がやや複雑で弾きにくい場所ですが、弾いた経験のない人間にとってみれば、弾き手の事情など推察できない所で、音の混濁は一切の熱狂を醸すこともないただの耳障りでしょう。加えて、この楽曲の中核を担う第一主題の提示部中にくみ組まれているという事情も重なって外せない難所となっております。エキエル版にも特に凝った運指が載っているわけではなかったので、慣れるほかないようです。ルバートとペダルでごまかすのも手段の一つでしょうが、それにはより器用なバランス感覚がいるようにも思われます。相手はショパンの楽曲の中でも最も有名な一節の一つです。

4. しつこいリズム強調

    これも第一主題提示部での話。譜例のスタッカートが付いているオクターブ二つを、私はそのスタッカートを意識して強調し弾いています。録音を聴いて初めて知りましたが、やたら耳に付く。主題の空白を埋めようとやっていたことですが、やり過ぎはよくないということなのでしょうか。

(譜例)

5.第一主題のオクターブによる変奏

    英雄ポロネーズの中で最も有名な部分です。三回登場します。どこかで簡単で数時間もあれば弾けるようになると書いてありましたが、単純にオクターブ+1をたたいていれば良いものではなく、後半の装飾音が付く八分音符の部分が厄介です(譜例赤枠)。運指の工夫には限界があり、どうしても腕の細かい運動や手の姿勢を素早く変える運動が加わるのです。これはもう慣れるほかありません。

(譜例)



6. 意図しないルバートの排除

    一定のリズムが続く場面。左手の方が忙しいのですが、暇な右手はルバートをやっていたようです。ここは、正確にリズムを切ることを念頭に置いていた方が良いのでしょう。



7. 白鍵盤のみの3オクターブ級アルペジオ

    よく白鍵盤のみで構成された楽曲は楽だという話がありますが、楽譜の読み取りが簡単なだけで、ある程度の速度が出ている場合、黒鍵盤が混ざっていなければ手の開きを要求され、手の回転に頼る慣れない処理が必要のようで、やたらと難しくなります。これはその典型的な例と言えましょう。コーダで再び3オクターブ級のアルペジオが現れますが、指によく馴染み。やたらと簡単に感じます。

運指は、オクターブを一つの塊と見て左端を各手の左側の指に、同様に右端を各手の右側の指となるように組んでいました。芸のない構成のためか、意識して探してもどこにも載っていませんでしたが、エキエル版には例の一つとして載っていて、異端ではないことを確認しました。

(譜例)



8. 装飾音を一つ忘れる

    決然とした律動とテノールの歌がたくましい、英雄ポロネーズでもっとも簡単な部分ですが、ここにも傷がありました。

(譜例)



9. 旋律の崩壊

    左オクターブが非常に忙しい部分です。話題にされたのは見たことがありませんが、右も跳躍がちりばめられ、単純な力技でも何とかなる左に対して、精密な技が要求される部分と言えましょう、決して簡単な部分ではありません。左手が速くなればなるほど難しくなって行きます。個人的な難関は、親指で長1度のリズムを刻みながら3,4,5で旋律を形作る部分です。うまく引けた試しがありません。解決策もわからないまま今日に至ります。各指の分離が鳴っていないのは確かと言えましょうが。

(譜例)



10. 装飾音で止まる

    ここから第1主題回帰まで全般に言えることですが、記憶があいまいです。そのうえ複雑な指の動きが現れるとなると頭から指にかけて支持信号に渋滞が生じて、音に現れてくるというからくりで、まぁ、要するに練習不足です。これは数をこなすのが最適解でしょう。装飾音が付いている音のみ右手で、それ以外を左で採ることもできなくはないですが、凝ったところで事故が増えるだけでしょう。

(譜例)



11. コーダの3オクターブ級アルペジオ

    白鍵盤のみと構成されている物に比べれば楽ですが、アルペジオはどんなものでも気が抜けません。少なくとも私はそうです。今回聞いてみて、そこまで速度は必要ない(早すぎて前のめりに聞こえた)ということが分かり、余裕をもって狙い打てるとともに、運任せの左手のオクターブ級の跳躍に注意を振る余裕を持たせようと思いました。

(譜例)



ふりかえって

    課題を挙げると、固くおさまっていく傾向にあるようです。しかし、ショパンが言うように、最終的には「音符を五線譜から解放」させたいです。
Polonaises, Piano Wn a VI, Op. 26, 40, 44, 53, 61

Pwm
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