暗譜完了の見通しが立ちました。あとはひたすら通しの練習をこなすのみです。終わってみれば数年がかかり、その間他の楽曲の暗譜が完了し、まったく関係ない資格を取得するなど脇道にそれ続け、熱しやすく冷めやすい私の気性が反映された挑戦でありました。
「トッカータ」の記事を書き始めたのが、2016年9月13日。約1720日が経過しており、「トッカータ」の総小節数が252なので、一日あたり約0.147小節の進捗です。職業演奏家からすれば話にならない、学習者でもありえない習熟の進行でしょう。
ある期間を「トッカータ」一本にしぼって練習に打ち込めば、暗譜完了までの期間を十分の一くらいに圧縮することも可能かもしれませんが、「トッカータ」を弾けるようなったところでなんの得になるかも知れず、そもそも充実した余暇を過ごす一環としてのピアノ練習なので、ストレスをため込むことを避ければ、こうだらだらとしたスタイルになるものいたしかたないというのが偶感であります。
今年に入って、魔性の難曲「ラ・カンパネラ」がまた一人ピアノの世界にいざないました。一度入ってしまったら出てくることはできません。演奏動画では難所と知られるトリル展開や薬指と小指で装飾音を引かせる変奏の処理も、抑えたテンポ設定の中で危なげなく通過しておりました。内容はもとより、弾く方としては薬指と小指の運動性能にも目が行き、本当に初心者なのかと思われる肉体的ポテンシャルに驚きました。いまだに腕の重さと鍵盤の間で挫ける自分の右手薬指と小指を鍛えていきたいと思われる次第です。
録音の公開は、新環境での動画編集の練習後に投稿する予定です。