取組楽曲と進捗一覧

ABCFG
1
作曲家名楽曲名総小節数暗記小節数の割合譜読み小節数の割合
2
フレデリック・ショパンマズルカ遺作第24番40100.00%100.00%
3
フレデリック・ショパンポロネーズ第6番「英雄」181100.00%100.00%
4
フレデリック・ショパン前奏曲第3番33100.00%18.18%
5
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりトッカータ25217.46%2.78%
6
クロード・ドビュッシー前奏曲第5番「アナカプリの丘」9612.50%4.17%
7
ヨハン・セバスティアン・バッハパルティータ第5番958.42%8.42%
8
ヴラディミール・ホロヴィッツカルメン変奏曲15719.11%1.27%
9
モーリス・ラヴェルクープランの墓よりメヌエット1280.00%0.00%
※譜読みは楽曲の一般的なテンポで演奏可能を意味するもの。※2018年6月17日現在。 ※随時更新。

2019年4月1日月曜日

ホロヴィッツのカルメン変奏曲を弾きたい! 第8.5回

 録音はありませんが、引き続き、急速なパッセージ(譜面)を練習中です。



 今日は趣向を変えて考察です。ホロヴィッツがこの部分を弾く時、上昇する部分では、手をほとんど握った状態で、小指だけ上に突き出ている格好となっています。残っている彼の映像のすべて見られる手の使い方で、特段変わったものではなく、癖か何かだと思って、なぜこの形になるのかは考えていませんでした。ところが、何か秘密があると思い、問いを変えてみます、すなわち、「なぜこの形でなければならなかったのか」。

 答えは、考えるよりも鍵盤に触れてみなければ出てきません。私が該当の部分を弾きながら、この手の形を維持する感覚は、ちょうど握力計測器を少しでも良い記録を出そうと握りしめるような感覚に近いものでした。握力計測器を握る場合、小指は手のひらに向かうのが自然ですが、運指の関係で小指の担当鍵盤がある場合、一度内側から外に出して伸ばす必要があります(手を広げる力と握る力の大きさは比較になりません)。前もって外に出しておけば一動作減るため、事故が減るという算段でしょう。ホロヴィッツがあの手の形をしている時は、非常に強い力で鍵盤を押し籠めていると考えて差し支えなさそうです。

 音楽方面の効果を考えてみると、この急速な場面に限りますが、この握りしめようから推察される音と比べて、決して音量の出ている場面ではありません。主としてmfレベルの音量で上下する半音階の連なりが美しい場面で、必要な握力としては過剰に思えます。しかし、ここで気をつけなければならないのは、ホロヴィッツは右ペダルを踏んでおらず、左手の和音をスタッカートで弾き、一種のグルーヴ感を維持しようと試みている点です。同曲中まったく同じ型の音をペダル有りで弾く場面があり、そこでは和音を響かせているところから、弾き分けていることは間違いありません(この点からも、ホロヴィッツが無神経な場当たり的な曲芸師と言う評は当たらない)。「なぜこの形でなければならなかったのか」、結論は、「グルーヴ感を維持しながら、半音階の連なりの美しさを前面に出したい」からです。

 音をつなげるには右ペダルの音響付加の補助が有効ですが、前述の理由でペダルを踏むことができない。そこで、左手の音量を適当に維持し、半音階の連なりをできる限り目立たせるため、握りしめるように鍵盤をつかむわけです。ピアノはちゃんと底鳴りしてくれました。二律背反を解決するのは力技と相場が決まっているようです。

 これは、編曲上の技法についてですが、一つ書いておかなくてはなりません。ピアノの音が出る仕組みは、鍵盤を押し込むと、押した鍵盤に係る消音機能を持つダンパーが上がる、それと同時に、ハンマーが弦を叩いて音が鳴というものです。なお、右ペダルを踏むと全鍵盤のダンパーが上がる構造となっています(Wikipediaに図表付きのわかりやすい解説があります)。ところが、今話題にしている半音階の連なりが始まる音の高さ部分には、ダンパーが付いていません(標準仕様です)。つまり、左手部分(全て)のダンパーは下がったまま、右手はペダルを踏んだ状態の音が得られるというわけです。効果はお聴きの通りです。ピアノの構造をよく心得た編曲です。ホロヴィッツが無教養な馬鹿と言う評も、少なくとも保留が必要のものと言えます。

2018年12月31日月曜日

【録音】ショパン:マズルカ作品68第1番(WN24番)、ポロネーズ第6番「英雄」【2018年12月31日】

 年の瀬となってしまいました。今年最後の投稿です。投稿は途切れがちでしたが、一年間通して定期的に弾いてきましたが、ちっともうまくなりませんね。

 しかし、昔の演奏を聴いてみると、一応進歩が見えます。下の二つ以外にカルメン変奏曲を収録したのですが、あまりに下手なので編集段階で没にしたという裏話がありまして、後日、年を越してから古い録音を聴いてみたら、明らかに精度が上がっていた(もちろん比較の問題である)ので、このブログと演奏を公開する目的、練習は決して無駄ではないというメッセージにはなるのかもしれないと思いました。下手なものは下手ですが。

 さて、録音していやでも気が付くのが、音楽のなんと平板なことかと。一方で、昔一世を風靡した大ピアニストの、音質の乏しい古い録音の音楽的内容の何と豊かな事かと。そこで、音楽が平板なのは、音量の増減の幅が狭いからだと仮定して、これでもかというくらいクレシェンドの音量増加を、急な坂を駆け上るみたいに幅をとって鳴らしてみましたら、案外様になる効果が得られました。皆様ぜひおためしください。今回の録音では、おそらく実践には至っていないかと思いますが、いずれは効果が表れる様に仕込んでいきたいと考えております。ただ、試してみればわかりますが、これには指の正確な制御が必要になります。つまり、すべての音について、音量を狂いなく出力する事が求められるのです。ただ正確な音を出す以上に神経を使うものに違いありません。でもせっかく録音するんだから、良いものをとりたいじゃないですか。

 2019年もどうぞよろしくお願いいたします。

マズルカ





「英雄」ポロネーズ