ホロヴィッツの楽譜が遂にSchott社から発売されました。『カルメン変奏曲』『星条旗は永遠なれ』『悲しげな断章』の三作品です。Amazonでは『カルメン変奏曲』のみ、アカデミアミュージックではすべてそろいます。
もともとホロヴィッツの採譜による楽譜は権利上の問題は、完全に解決しているかもしれないし、していないかもしれないといったところ。昨今では、採譜を有償で販売するなど、モラルハザード(公開からして控えるべきなのだろうが・・)というべきか、これら採譜が権利の侵害に当たるのであればより侵害のレベルの高い状況となっていました。この状況を見ての判断なのか、The Horowitz Websiteの編集者で、各種ホロヴィッツの実況録音のライナーノートにかかわってきたBernald Horowitzを校訂/編曲に据えての販売となりました。なお、自筆譜から楽譜にしたものではなく、従来通り音源からの採譜作業行った楽譜となります。しかし、これは大変意義のあることです。
作曲者が販売に踏み切らず、未亡人が封印したため、楽譜が工程を経て出版されることは、私が生きているうちにはないだろうと思われていたことが実現したため大変驚きました。関係者にこの場を借りて感謝を申し上げるとともに、他の編曲作品についても引き続き出版を心よりお待ちしております。
ついては、次回より、当ブログのシリーズ「ホロヴィッツのカルメン変奏曲を弾きたい!」はショット版を採用しての挑戦となります。
※『カルメン変奏曲』の楽譜1ページ目、10小節目の右手#は♮だと思います。